海外客にも大人気!パノラマ広がる馬籠宿のおすすめグルメ&スポット

「木曽11宿」と呼ばれる中山道の木曽路エリアにある宿場のうち、もっとも南に位置し、唯一岐阜県に属する宿場が馬籠宿(まごめじゅく)です。この宿場の特徴は、坂道の両側に江戸時代の趣を感じる宿や飲食店が軒を連ねること、そしてなにより「木曽路はすべて山の中である」という書き出しで有名な小説『夜明け前』の作家、島崎藤村の出身地であることでしょう。

また近年では、馬籠宿と妻籠宿をつなぐ全長約8㎞のハイキングコース、通称「サムライロード」「サムライトレイル」が海外観光客に大人気で、宿場内でもバックパックを背負った外国人を多く見かけることができます。

この記事ではそんな馬籠宿のなかでおすすめの立ち寄りスポットを、4箇所に厳選して紹介します。

平日でも多くの観光客が訪れている馬籠宿。雪が降り始める12月頃からオフシーズンに。
宿場の入口のひとつである「馬籠見晴台」からは、長野県と岐阜県の県境にそびえる恵那山を一望できる。

かなめや/歩く前に焼き立て五平餅を食べてエネルギーをチャージしよう

まずはタレに漬けずに焼き、それから「タレを漬ける」「焼く」という作業を2回繰り返して完成。ほどよい焼き加減に仕上げるのがおいしさの秘訣。

木曽谷をはじめ、中部地方の山間地域を発祥とするご当地グルメとして人気の高い五平餅。馬籠宿には現在、9軒の五平餅店があります。女店主・牧野敬子さんが営む「かなめや」は、46年の歴史をもつ五平餅店で、自家製のタレ、自家製のうるち米で作った焼き立て五平餅をいただけます。「温かいうちに食べてほしい」という牧野さんのこだわりにより、お土産としての販売はなし。店内で、または歩きながら、熱々のうちに食べきりましょう。

かなめやの五平餅のタレは、46年間継ぎ足しで使い続けているのだそう。材料は、ゴマ、ピーナッツ、醤油、馬籠産のクルミ。
店主の牧野さん。五平餅は幼い頃から作っていたため、お店で焼いている年数と合わせるとこの道50年以上の大ベテランだ。
五平餅はわらじ型とだんご型の2種類。まったく同じ材料、同じ工程で作られているのに、不思議と味が違うのがおもしろい。ぜひ食べくらべてみて。

藤村記念館/日本遺産への追加認定で益々注目度が高まる藤村生誕の地

馬籠宿の中心部にある藤村記念館。向かい側には観光案内所がある。

自然主義文学の代表的作家として知られる島崎藤村は、馬籠宿本陣の四男として生まれ、部落差別を題材とした長編小説『破戒』、明治維新前後の動乱における実父の生涯をモデルとした歴史小説『夜明け前』など数々の代表作を世に送り出しました。

藤村の死後、本陣跡地に建てられたのが「藤村記念館」で、藤村の作品原稿や遺愛品など約6,000点のコレクションが所蔵されています。2020年には構成文化財として日本遺産への追加認定が決定。よりいっそう、馬籠宿観光に欠かせないスポットとして注目が集まっています。    

藤村記念館には、藤村記念堂、常設展示室の第三文庫(写真)、企画展示室の第二文庫、藤村の祖父母の隠居所などがある。

島崎藤村について

第三文庫には、小説『夜明け前』の冒頭部分の直筆原稿が入っていたという木製の棚の展示も。
藤村の生涯がまとめられた動画を視聴できるビデオコーナー。

三日月庵/当日仕込みの本格手打ち蕎麦をカフェ感覚で利用できる

「平日限定そばランチ」は、手打ちそば(温または冷)、日替り小鉢、サラダ、巻き寿司のセットで1,500円。さらに200円追加すれば甘味とドリンクも付けられる。

2022年4月にオープンした蕎麦専門店「三花月庵(みかづきあん)」は、スタイリッシュで清潔な店内で本格的な手打ち蕎麦を味わえるお店です。蕎麦粉はすべて国産のものを使用。メニューも豊富に展開されていて、冷たい蕎麦には「細挽きせいろ」や「粗挽きせいろ」、「旬の野菜天せいろ」などが、温かい蕎麦には「かけ蕎麦」のほか、「おぼろ昆布蕎麦」、「和牛カレー蕎麦(冬季限定)」などがあります。蕎麦は午前中に打ち、打った分が売り切れたら終了になるので、早めの入店がおすすめです。

まるでカフェのようなスタイリッシュな店内で、本格的な手打ちそばをいただける。
運がよければ、なかなかお目にかかれない蕎麦打ちの様子を見学できるかも⁉
三日月のシルエットが描かれた暖簾が目印。

HillBilly Coffee Company/水車の隣に佇む自家焙煎のスペシャルティーコーヒー店

馬籠宿の雰囲気と絶妙にマッチした、ヴィンテージ感のある店内。

馬籠宿には小水力発電所として機能している大きな水車があるのですが、この水車の隣に建つのが自家焙煎の珈琲を提供するカフェ「HillBilly Coffee Company(ヒルビリー コーヒー カンパニー)」です。看板メニューは「馬籠宿の急な坂道を元気に登れるように」というイメージで作られた、フルーティーな香りとほどよい酸味をもつ「馬籠ブレンド」と、古い建物が建ち並ぶ妻籠宿の深みを味わいで表現した「妻籠ブレンド」。どちらもドリップコーヒーとして、または珈琲豆として購入できます。バリスタが一杯ずつラテアートを施してくれるカフェラテもおすすめです。

お店で提供されているのは、ドリップコーヒー、エスプレッソドリンク、ホットチョコレートや抹茶ラテなど。珈琲豆は、厳選したスペシャルティコーヒーのみを使用。
なめらかなフォームミルクの上にラテアートが描かれた、ホットのカフェラテ。バニラやキャラメルなどのフレーバー入りも選べる。
店内はコンパクトなので、店舗前のベンチで飲む人やテイクアウトして歩きながら飲む人が多い。

長野県のニッチな観光メディア『Skima(スキマ)信州コラボ記事

企画・編集:Skima信州(山本麻綾)
執筆:松元麻希
撮影:佐々木健太

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