木曽谷の西側に聳える独立峰、御嶽山。レジャー目的で訪れる登山者だけでなく、白装束をまとった修験者も訪れるという独特な文化もつ山ですが、標高2,150mまでワープできる「おんたけロープウェイ」が架かっていて、じつは歩かなくても高山ならではの景色を堪能できることをご存じでしたか?
今回は、そんなおんたけロープウェイを利用して、山頂駅周辺から眺める絶景、針葉樹林の森歩き、歴史ある山小屋でのひととき、山頂駅の名物グルメを堪能する日帰りプチハイキングの楽しみ方をご紹介します。歩くのはアップダウンがほとんどない往復30分ほどのコースなので、登山経験がない方にもおすすめです!
本題の前に、御嶽山の歴史や地形についておさらいしよう
御嶽山は、古くから富士山や白山に並ぶ山岳信仰の聖地として知られてきました。この地に伝わる「御嶽信仰」は平安、鎌倉時代より続く民間信仰と山岳信仰が結びついて興ったとされています。1784年に尾張の行者である覚明が黒沢口登山道を、1794年に武蔵國の行者である普寛が王滝口登山道を一般民衆に開放し、御嶽信仰は全国的に広がっていきました。今でも神仏混合の形を取りながら、全国有数の山岳信仰の場であり続けています。
御嶽山を語るうえで欠かせないもうひとつの特徴が、活火山であること。火山活動によって、尖った峰々や火口湖などの荒々しく美しい山容が形作られています。2014年秋には大規模な噴火が起こり、多くの犠牲者が出てしまいました。この災害が物語るとおり、御嶽山は火山活動を続けているわけですが、2023年8月現在は噴火警戒レベルがレベル1まで引き下げられており、穏やかさを取り戻しています。
※噴火警戒レベルに関する最新情報は、気象庁のウェブサイトで確認することが可能です。
約15分間の空中散歩を楽しみながら標高2,150mを目指す
おんたけロープウェイまでは、マイカーでダイレクトにアクセスする方法と、最寄りのJR木曽福島駅からおんたけ交通が運行するバスに乗ってアクセスする方法の2通りがあります。バスは週末のみの運行ですが、約60分間、車窓越しの景色を眺めながら向かいましょう。
チケットを手に入れたら、雨風に晒される心配のないカプセル型のゴンドラリフトに乗り込み、約15分間の空中散歩を楽しみます。山麓駅の標高は1,570mで、山頂駅の標高は2,150m。一気に、580mも高度を上げることができるのです。
名物「ちからもち」を目指してプチハイキング
中央アルプスや南アルプスなど山頂駅からの眺めを堪能したら、7合目の行場山荘を目指して歩きます。山頂駅のすぐ近くに御嶽社や高山植物園、幸福になれる鐘などがあるので、まずはそれらをゆっくり巡りましょう。そこから先は、針葉樹林に囲まれた深い森の道を進みます。「しらびその小径」の名付けられたこの道にはウッドチップが敷かれていて、とても歩きやすいのが魅力。森のイオンを全身に浴びながら、散策をのんびり楽しみます。
森に癒されつつ15分ほど歩けば、今回のゴール、行場山荘に到着!
ゴールの7合目に建つ行場山荘。きなこかぜんざいの2種類から味を選べる「ちからもち」が名物。天上にさまざまな講の布まねきが飾られているのは、信仰の地ならでは。
身体を心地よく動かした後は、絶景グルメに舌鼓!
たった30分のハイキングで、そのうえ行場山荘でちからもちを食べたとしても、山頂駅へ戻るころにはきっとお腹が空いているに違いありません。晴れていたらぜひ体験してほしいのが、外のテラスでおんたけロープウェイ名物のグルメをいただくこと。おすすめは、白いのに不思議とスパイシーな雲海カレーと、色合いが爽やかな彩雲ソーダです。ロケーションも最高なので、きっと映える写真が撮れるはず!
風が強かったり、天候が悪かった場合でもご安心を。屋内のレストランも、大きな窓から外を眺められたり、レトロな照明やチェアが用意されていたりと、心くすぐられる空間なのです。
非日常的な景色や体験を気軽に味わえるロープウェイ旅
おんたけロープウェイに乗れば、下界ではお目にかかれない絶景や森、高山植物に出会えるうえ、御嶽山ならではの歴史・文化に触れることもできます。さらに素敵なグルメもあり、数時間の滞在でも色濃い時間を過ごすことができることは間違いなし。7合目までであれば、歩きやすい靴、そして羽織や帽子、サングラスなどの装備があれば充分。家族や友人、恋人を誘って、週末の思い出作りとして気軽に出かけてみてはいかが。
■データ
施設名:おんたけロープウェイ
電話番号:0264-46-2525
営業期間:6月20日~11月5日 ※2023年
料金:【往復】大人2,600円、子ども1,300円/【片道】大人1,400円、子ども700円
※ファミリー割引、障がい者割引、団体割引あり
長野県のニッチな観光メディア『Skima(スキマ)信州(山本麻綾)』コラボ記事
企画・編集:Skima信州
執筆:松元麻希
撮影:佐々木健太